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きのこの森

  
きのこの森とは、高野水登が主宰するコメディ多めの演劇団体。
そんなきのこの森の活動記。

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  • 04/27/13:13

ドス物語

こんにちハーブティ。しぇしぇしぇのしぇ。それは違うハーブ。
 
 
 
 
 
主宰です。
 
 
 
 
 
 
突然ですが、これはドスです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
短刀ですね。
 
 
 
 
 
ご覧ください、この風格。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「わしが殺ってきますけぇ!(渡瀬恒彦)」
 
 
 
「バカたれ!あんなのためにそがなことするこたぁねぇ(菅原文太)」
 
 
 
「グゥアアアッ!!……これで…勘弁してください…(中野英雄)」
 
 
 
 
 
ギラギラしたおじさんの雄叫びが聴こえてくる気がしませんか?
 
 
 
 
 
あ、もちろん模造刀ですよ!
 
 
 
今回の芝居の小道具に購入しました。
 
 
 
小道具費用ではありません。
 
 
 
 
私物として買いました。
 
 
 
 
いや〜、モデルガンを持ってる人は結構いますが、ドス持ってる人はそういないでしょう。
 
 
 
ですが、むしろ、今まで買ってなかったのが不思議なくらいなんです。
 
 
 
 
この前、高校から私がまともに公演した長編芝居のなかで、何回ヤクザが出てきたか数えてみたんです。
 
 
 
8回中4回。
 
 
 
2分の1ですよ。
 
 
 
※ちなみに、シチリアンマフィアが出た回は含まれていません。
 
 
 
2回に1回出すんだから…ドスはあってもいいだろうと…
 
 
 
秋葉原の武器屋で買ってきました。
 
 
 
 
ドス購入の後押しをしたのは、今回、インテリヤクザ坂井昭造を演じた、川鍋くんの存在があります。


 
 
 
これは、稽古中の写真です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ご覧ください!この目!
 
 
 
 
人殺しとか可愛いもんですよ!多分道端の猫とかリスとか殺して生のまま食ってますよ!
 
 
 
 
しかもこれベルトぶん回してるんですよ?
 
 
 
 
ベルトぶん回しながらこの顔ですよ?
 
 
 
 
なんでベルトぶん回してるのかわからないし。
 
 
 
 
 
稽古のときから、「彼にはドスがなきゃダメだ」という謎の確信があり、割と早い段階で購入に踏み切りました。
 
 
 
買ったその日に、川鍋くんに「本番までに、ドスを自分の指のように使えるようになりや。これからは、ドスと共に生きるんや。」と言って託しました。
 
 
 
実際、小道具に慣れることはとても大切です。このドスも、模造刀とはいえ先端が尖っているので、絶対に安全とは言えません。
 
 
 
こういうのは大抵、刃にテープを貼って万一に備えます。
 
 
 
ですが、私はそれが嫌だった!このギラギラ感を失いたくなかったのです!


 
 
実際、本番で照明に反射してギラッギラ輝く様がもはや下品なほどで、たまらなかった!
 
 



 
稽古中、手からすっぽ抜けたりと危ない瞬間もありましたが、川鍋くんは本番までにはすっかりドスを指の一部のように使いこなしていました。
 
 
 
 
 
しかし、ドスと一体になるにつれて、川鍋くんの危なさも露呈されてきました。
 
 
 
 
 
まず、本番前日に
 
 
 
 
 
 
「今日は、ドスと一緒に寝るね」
 
 
  
 
 
…。
 
 
 
 
 
……えっ…?
 
 
 
 
 
 
「いや、ほら、俺野球部だったからさ。その頃、試合の前はバットと一緒に寝てたんだよね」
 
 
 
 
 
 
……そ、そういうのは聞いたことあるけどさ……。
 
 
 
 
 
………ドスだぜ?
 
 
 
 
 
 
ま、まあね。それで本番うまくいくならそれでいいのです。
 
 
 
実際、素晴らしいドスさばきでした。
 
 
 
 
 
ただ、私は見逃さなかった。
 
 
 
 
 
 
ちょっと板につきすぎてヤバイ!!
 
 
 
 
 
 
ドスを机に突き立てるシーンでは、木材の隙間に刃先をめり込ませてコリコリ言わせてるし……
 
 
 
 
 
 
極めつけは…もうお客さんは絶対気づいてないでしょうし、本人も気づいてないと思うんですが…。
 
 
 
 
 
彼、演技で、よく手を後ろで組むんです。
 
 
 
そのときですね。
 
 
 
 
 
右手が、なんかピクピクしてるんですよ。
 

 
 
 
 
……何か……握ってるんです……クイクイって……。
 
 
 
 
 
ドスがないと落ち着かないのかと!
 
 
 
 
クスリか何かなのかドスが!!
 
 
 
 
それに一人で気づいてニヤニヤしてました。
 
 
 
 


 
 
そして迎えた千秋楽
 
 
 
事故もなく、安心安全なドス使いで無事全公演終了しました。
 
 
 
片付けをしているとき、川鍋くんがドスを片付けているところに気づき
 
 
 
 
 
私「あっ、それなんだけどさ」
 
 
 
川鍋「えっ?どうする?」
 
 
 
 
 
私はそのとき、「そのまま僕が持って帰るよ」という意味で、手を差し出し、
 
 
 
 
 
私「そのまま、いいよ。」
 
 
 
川鍋「あっ、よかったあ〜。じゃあ今日は持って帰るね。家で思い出語ろうと思っててさ。」
 
 
 
 
 
 
 
………。
 
 
 
 
 
 
もう、「お、おう。」としか言えませんでしたよね。
 
 
 
 
 
 
後日、返してもらうとき
 
 
 
 
 
 
川鍋「ちゃんと、ありがとうって言っといた!」
 
 
 
 
 
 
と、言ってました。
 
 
 
 
 
 
 
ドスが人を狂わせるのか、狂った川鍋くんがドスを持ったからそうなったのか。
 
 
 
 
いずれにせよ、一人の役者の思念が込められた妖刀ならぬ妖ドスは、これからまた新たなヤクザ役に受け継がれることでしょう。
 
 
 
 
そして、また次のヤクザへ。
 
 
 
 
 
 
ドスの物語は、まだ始まったばかりなのです。
 
 
 
 
それでは、また次回。
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