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きのこの森

  
きのこの森とは、高野水登が主宰するコメディ多めの演劇団体。
そんなきのこの森の活動記。

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  • 04/20/02:43

小ネタ解説

こんにち白馬の王子様。来ると夢見てもう三十路。
 
 
 
 
主宰です。
 
 
 
 
今回は、Need Speed Greedをご覧になった方向けの内容になっております。
 
 
 
何かといいますと
 
 
 
 
 
小ネタ解説です。
 
 
 
 
 
…ハイ……やっちゃいけないことはわかってます……。
 
 
劇で語られないことを語るな!
 
 
……と。
 
 
ですが……どうしても……やらずにいられなくて……。
 
 
……。
 
 
お、覚えてる人も少ないとは思いますが、しばし主宰の自己満足にお付き合いください。
 
 
 
 
わかりやすくQ&A方式でやっていこうとおもいます。
 
 
ですが、私が一人でやってます。自問自答です。その辺はあたたかい目でみてくださると嬉しいです。
 
 
 
 
 
Q.いきなり小ネタじゃないんですが、劇中に使われるBGMの選曲は誰がしてるんですか?
 
 
A.ハイ!この質問はアンケートでもありましたね。ハイ、私です。「どうせ劇に使うし…」と思ってすぐにCDを買ってしまうので、最近収納場所がないのが悩みです。
 
 
 
 
Q.最初に新聞記者が電話してる、「アートギャラリー・ノードラー」ってなに?
 
 
A.これ、実在のギャラリーなんです。アメリカで160年以上続いた老舗の画廊でしたが、2011年に突然閉廊しました。なんと、贋作を売っていた疑いがあり、今なお訴訟が続いてるそう。そりゃあ、贋作の話をフッたら怒りますよね。
 
 
 
 
Q.最初の新聞記者が話してる、「60歳の贋作家が家賃が払えず大家を殺したって事件」って、さすがに荒唐無稽では?
 
 
A.これも実話です。私がこの脚本を書いたきっかけは数ヶ月前にこのニュースをテレビで観たからなんです。
新聞記者さんに、私と同じ動機で贋作について調べてもらったというわけです。
 
 
 
 
Q.「ギャラリーBL」って、ネタにしてはしょっぱすぎ。本番もややウケだったし。
 
 
A.「ギャラリービューティフルロータス」略してBLにも、ちゃんとした設定があります。インチキ画商野田崎さんの下の名前は、「蓮美」。だから、「ビューティフルロータス」なんです。
さらに遡ると、彼の両親が美術に親しみがあり、その中でも、モネの「睡蓮」が特にお気に入りだったことから、名前を「蓮美」と名付けたという裏設定もあります。美大生の達也くんが、お父さんの隣で絵を描いていたように、野田崎さんもまた、両親の影響で美術の世界に入ったのですね。
決して!!しょぼいギャグのためにつくったわけではありません!!たまたまです!! 
 
 
 
 
Q.熊谷修一郎ってだれ?
 
 
A.これはさすがに架空の人物ですが、モデルはいます。「熊谷守一」という、現代画家です。この脚本のモデルにした実話では、彼の作品の贋作が中心になっていたのです。
 
 
 
 
Q.金田一金銀貴金属とかふざけた名前の会社はなんなの?
 
 
A.ふざけてますよね。前作から出しててなんか気に入ってたので出しました。ちなみに金田一三ッ子さんは、前作「JAIL HOUSE ROCK」のクソ親父の子供です。三番目に生まれたから三ッ子なんじゃないですかね?このへん適当です。ハイ、サービスネタです。ハイ。
 
 
 
 
Q.やたらとんかつとか串カツとか揚げ物が出てくるのはなんで?
 
 
A.上野だからです!!!!!とんかつ山家は最高です!!!!!
 
 
 
 
Q.美術鑑定士という職業がないとはどういうことだ!なんでも鑑定団を否定するのか!!恥を知れ!!!
 
 
A.セリフにぼやっと入れてありますが、「ただ」美術鑑定士という職業は存在しないといっていいでしょう。それこそ、なんでも鑑定団の人たちを調べればわかりますが、間違いなく何かの専門家です。それから、画廊が請け負っていたり、美術館の館長が行ったりもします。日本では、東京美術倶楽部といういくつかの画廊さんが共同で鑑定などを行ってくれるところもあります。
 
 
 
 
Q.だったら未亡人の発行した鑑定書って何よ!!!!ムキーーー!!!!
 
 
A.「鑑定書」というと、なんだか特別な国家資格を持ったえらい人が作るものとかそういうイメージがありますが、上の質問でも述べた通り、鑑定書とは、あくまで民間で発行するもので、特別な資格はいりません。ちなみに「古物商許可証」という資格をとれば画商、骨董商になれます。これはお金さえ払えばもらえるそうです。
ですので、親族が鑑定書を発行するケースは世界的にも多くあります。
 
 
 
 
Q.作家の未亡人が発行した鑑定書が決め手となって明るみに出た贋作事件がありましたっつって、その答えが新聞記者さんの「その奥さん、目が見えなかったとか?」ってどういうことですか?意味不明です。
 
 
A.そのまんまの意味です。鑑定した奥さん、目が見えませんでした。それで鑑定なんてできませんよね?もうほんとそれだけです。誰かが鑑定書を偽造してたというわけですね。これ、本当にこういう事件が海外であったんですよ。すごいですよね。
この脚本のモデルにした話に、こんなエピソードがありました。熊谷守一の未亡人が、熊谷守一の死後、本物鑑定シールというものを数万円で発行していたのですが、なんと贋作画商に騙され贋作にも発行してしまったのです。
これには詐欺罪が適用されるのですが、未亡人は被害届が出せませんでした。なぜなら、「詐欺に加担していた」と思われる可能性があるからです。
この、「自分がいつ加害者になっているかわからない」という点も、贋作事件が明るみに出ない理由の一つでもあります。
 
 
 
 
Q.ヒレカツ食うことの何がいけないんですか?
 
 
A.もともととんかつとは、脂の多いロース肉を美味しく食べるために作られたんだって恩田君がいってました。
 
 
 
 
Q.意図的にサインにミスが施された作品って、そんなんバレんじゃん。やっぱりフィクションですね。
 
 
A.これも実話です。脚本のベースにした事件でも、贋作家は良心の呵責から微妙に描き方をかえていたそう。
また、トム・キーティングという、2000点以上の贋作を残したという伝説の贋作家に至っては、贋作づくりの目的が、「復讐」であったため、なんと、赤外線で透視すると、下絵に「これはニセモノだよ!」と浮かび上がる贋作をつくったり、ある一定の期間が経つとボロっボロになるような細工をしたりと、まさに神業的な贋作をつくったそうです。
 
 
 
 
Q.結局ヤクザ出すんですね。ヤクザ好きだからって限度がありますよ。
 
 
A.こ れ も 実 話 で す 。私もこれにはびっっくりしました。しかも芝居とほとんど同じ流れで贋作事件に首を突っ込んできたんですって。これはヤクザ出すしかないですよね!仕方が無い!実話なんですから!
 
 
 
 
Q.明石建設とか、坂井昭造とか、山守組とか…どこかで聞いたことがあるけぇのう。
 
 
A.菅原文太さん。あなたは私の永遠のヒーローです。ご冥福をお祈りします。
 
 
 
 
Q.学生の贋作を売るって…ちょっと無理があるんじゃあ…。
 
 
A.これも実話なんです。小遣い稼ぎで売ったりとかもあったとか。
また、過去の葬式のシーンで、「勝手に売っちゃった」とか言ってますが、これも実際の事件です。画家の息子が描いた模写があまりにうまかったので、画商が持ち帰って勝手にサイン描いて売ってしまったという…。
 
 
 
 
Q.警察に捕まれば保護してもらえるもんなあ!って…?
 
 
A.少なくとも、刑務所にいればヤクザの手からは逃れられます。
これも実話です。結局、脚本のように、被害届が出されないことで四面楚歌になってしまうのです。
 
 
 
 
Q.芸術総合アドバイザーの阿佐ヶ谷さんってよくわかんない人ですね。
 
 
A.そうだとはおもいますが、考え方はわかります。ぼーーーんやり、村上隆がやっていることをベースにしているのですが、これに気づいてくださったお客様がいてぼくは飛び上がって大喜びしました!!!
 
 
 
 
Q.『無題』って…ちょっと…。
 
 
A.私も…そう思ってました…しかし!少し前までやっていた、横浜トリエンナーレで、私は『無題』をみました!!しかもいくつか!!ほんとにあんな感じでした!!!
ちなみにちなみに!壁に貼ってあった赤い紙は、トリエンナーレで展示されていた『無題』という作品。自由に持って帰っていいよとのことだったので、壁に貼りました!!なのであれは本物の芸術品なのです!!誰も気づいてくれませんでした!!
 
 
 
 
Q.新聞記者さんが、「これらの出来事が事実であったことを証明するものは、何一つ残っていない」って言ってますけど、どういうこと?
 
 
A.そのままの意味です。事件にならなければ、記録に残らないのです。
私は、この脚本のベースとなる話を、本を読んで知りました。実名も書かれており、ネットで調べてみましたが、出てきたのは、「画商が自殺した」という無機質なデータのみ…。
そこで、「そもそも、こんな話があったかどうかもわからない」というお話になったわけです。
 
 
 
 
 
ゼエ…ゼエ…。
 
 
 
 
 
ものすごい長さになってしまいました…。
 
 
 
 
 
というわけでして、この脚本は、様々な実話をミックスして作られており、様々な小ネタも織り交ぜてあります。
 
 
如何せん長くなってしまうので、泣く泣くカットしたシーンもあります。
 
 
実は明石建設と金田一金銀貴金属が裏で繋がってた話とか…オークションとか…ブツブツ…
 
 
 
 
その…とむらいをしたかったのです!!
 

 
 
 
もう!!大人気ないことはわかるんですが!!!
 
 
 
 
どうしても!!!どうしても!!!
 
 
 
 
 
ぜぇ…ぜぇ…
 
 
 
 
 
本当に、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
 
 
これで、誰にもツッコまれず消えて行った小ネタたちも報われます。
 
 
 
 
それでは、また次回。
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