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きのこの森

  
きのこの森とは、高野水登が主宰するコメディ多めの演劇団体。
そんなきのこの森の活動記。

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  • 04/29/21:04

潰し合い

こんにち版権。気にしましょう。






主宰です。






こんな話を聞いたことがあります。






かの森繁久彌さんは、舞台に出演した際、






客席に向いている方の横顔で演技をし






舞台に向いている方の横顔をピクピクさせて、共演者を笑わせようとしていた。







どこで聞いたかも忘れた話ですが、確か父に聞いたのかな…面白いですね。









またこんな話もあります。







 
三谷幸喜さんは、自身の舞台の転換の際、スタッフに紛れて舞台上に紛れ込み






中井貴一さんに大福を手渡したそうです。






ちなみに中井貴一さんは、その場で大福を食ったとか。








そうです。







舞台はナマモノ。








潰し合いなのです。








こんなこと言うと、キャスト、スタッフにブチ切れられること必至ですね。






実際、高校のころ、まだ私が脚本書きつつ役者としても出たりしていたときは、アドリブの意味を履き違え、「本番だけ全然違うセリフぶち込む」ということをしては怒られていました。







今回の公演では、お客様の目の届かないところで、否…もしかしたら届いているかもしれませんが…









潰し合いが行われています。









完璧主義の独裁者で毛沢東と裸踊りができそうなほどだったかつての私は、笑いにも非常に厳しく、細かく細かく演出していました。






しかし、今回は脚本がギリギげふんげふん役者に丸投げょふぉんげょふぉん






役者さんを信頼して、ある程度の笑いのシーンも任せることにしました。






もちろん、喜劇のはひふへほだけはしっかり守ったうえで。






はずかしがらない


ひっかからない


ふざけない


へこたれない


ほんきでやる







この全てをクリアしたシーンはどうなるかというと。







本能に訴えかけてきます。







これは自画自賛しようとか、ウチらマジウケるサイコーパリピとか、そういう意味で言っているのでは断じてありません。






なるべくしてなるのです。







内輪ネタ、自虐ネタ、メタネタなどの長所は、ウケないリスクと引き換えの爆発力。






本能に訴えかけるネタは、なんといっても安定感が最大の利点。








この安定感がくせもの。







役者が笑う。






毎回笑う。







私も笑いますけども。







しかも、稽古を重ねるごとにパブロフの犬状態になってしまい、シーンが始まるだけで笑ってしまう泥沼に突入してしまいます。













彼が関わるシーンで、一つ、他の人が笑いすぎて本番まで一度もまともにできなかったものがあるほどです。














また、この三人が揃うシーンも曲者。








毎回変えやがるんです。






いや、変えてもいいと言ったのは私ですが。








よくそんなレパートリーがあるもんだと思うほど変えてくるので、不意打ちでやられます。







だってこの写真も、左の前田君、これ絶対笑ってますからね。笑い噛み殺してますね。ゲネプロの写真ですよ?信じられません。








もちろん、お客様にはたった一回の公演です。それでも楽しめるのですが、複数回になるとそれこそ、ラーメン二郎みたいなもので、ハマると止まらなくなります。






今回のゲネプロは、






そう、ゲネプロですよ?







お客様がいる体で、本番とまったく同じにしなければならない、ゲネプロですよ?








舞台袖で笑う!







照明、音響ブースでも笑う!







なんなら舞台上でも笑っている!















このブログを書くか、本当に悩みました。







「内輪で楽しんでる様子報告しやがって、腹立つんだよ。自分たちで楽しんでるだけの劇団ほどつまんねーものはねーからな!!!」







と、言われても仕方がありませんから。







かく言う私も、そういう考えの持ち主です。







しかし、今回は本当に面白かった。







本番をみてても、何度もみたシーンが、何度みても面白い。







終演後、役者さんたちが楽屋で、「あそこ笑っただろ!」「笑ってねえよ!」と罵り合う姿の、なんと滑稽なこと。







「俺、照明ブースでフツーに笑ってますよ」と、まるで悪びれない漢の中の漢。












内輪ウケと言われたらそれまでかもしれません。







 
しかし、内輪ですらウケていないものを、お客様にお届けすることはできません。







面白いと思うか否かは、お客様の判断にお任せします。








しかし、少なくとも私は(恐らく、私だけでなく)









舞台袖で、声を殺して笑っています。












それでは、また次回。
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