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きのこの森

  
きのこの森とは、高野水登が主宰するコメディ多めの演劇団体。
そんなきのこの森の活動記。

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  • 03/29/21:27

古典大好き

こんにち張り手。どすこいですね。





主宰です。






ここ最近は、公演に関わってくれた人や、公演に関わってくれそうな人を口説くために、ご飯を食べに行ったりしていました。




面白い話でもあれば書くのですが、私の嫌な性格がでて、どんな会話も真面目な話にいつの間にかシフトさせてしまい、くだらない、楽しい話があまりありません。





久々に、何てことはない、日常のぼんやりとした気づきのようなブログを書くことにします。









先日、色々とあって、劇作家を目指す(という体の)人たちが沢山いる場所に行きました。





自己紹介をしたのですが、そこで、「好きな戯曲を言え」というのです。







…マズイ。







私は本当に戯曲を読みません。





戯曲読むくらいなら、小説読みたいんです。






唯一、三谷幸喜さんの作品は多く知っているつもりなのですが、三谷さんは「後世に残るのが恥ずかしい」という理由で、絶対に戯曲集を出したりしないので手に入りません。





自分でもおかしなことを言っているのは自覚していますが、もう事実なので隠しだてしません。






仕方がないので、戯曲集がないのに、三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」と、映画なのに「仁義なき戦い」が好きだと言い放ち、苦し紛れに「喜劇とヤクザが好きです」と、軽いジョークでひと笑い取ってお茶を濁しました。






その後、老若男女、若い人では19歳。老人では還暦間近の合計60人くらいの「好きな戯曲」を聞きましたが。






びっくりするほど極端なのです。







「最近みたやつ」か「古典」







最近みたやつ。は、わかります。私もミーハーですから。新鮮な記憶というものは、時に人生を変える程のものと錯覚してしまうものです。







ただ…古典に関しては…。







正直、「ベスト」に選ぶ理由はわかりません。







わからないじゃないですか。







映画に例えますが、例えば、おじさんが黒澤明が好きだったり、仁義なき戦いが好きだったりするのはわかります。





なぜならその当時「最新」だったからです。





もちろん、優れた芸術は時代を超えるものですが、加えてその作品が生まれた時代に生きていたとあれば、そりゃあ思い入れもひとしおでしょう。





しかし……シェイクスピアとか……何百年前ですか……。






オイディプス王に至っては……紀元前ですよ……。







何度も言いますが、時代を超えて愛されているからこそ、今の時代にもこうして残っているのはわかります。






ただこう……それを1番好きだと言えるのは……。






誤解を招く言い方になりそうで怖いのですが……要するに、ギリシャ悲劇が好きな人って、「紀元前の感性」だってことなんじゃないかと思うんですよ……。





いやほんとうに、「脳のカタイ老害め!」とか言ってるんじゃないんですよ!?なんだか、お若い方まで、「シェイクスピアが好きです」って言ってたりして、す、すげぇー。よくわかるなあんな難解なセリフ。とか、びっくりしてたんです。





古典に限らずですが、美的センス、時代背景、精神状態、エトセトラ…芸術作品には、その時代を生きた人にしかわからないものが、きっとあるはずなんです。





「全ての物語は出尽くした」とはよく言いますが、だから古典が最高!というわけではなく、過去の産物にその時代のエッセンスを混ぜ、化学反応を起こして新しいものを生み出すことが、「創作」なのではないでしょうか。






だから……別に最近のが好きでもいいと思うんです……。






…。







これ、自分に言い聞かせてますね。








そりゃあ私にも羞恥心はあります!あの空気の中に入ればわかりますよ!!






エンタメ好きとか言っちゃいけない空気!!!!!





喜劇好きとか言っちゃいけない空気!!!!!!






ただわからないものはわかりませんよ!!!!!!







窓に向かって「おお愛しのジュリエット」とか、LINEでなんでも済ませる時代の人間にはやっぱり心から共感することなんてできません!!!!





ぜぇ……ぜぇ……









大学の、演技の授業では、よく古典劇を取り扱うといいます。






果たして、どういう意図でやっているのでしょうか。






役者を目指す人の話をきくと、内面のことばかり考えているような気がするのですが…






内面というのは、人間が知恵を授かったときから変わらないと思うんです。







大切なのは、内面を型取る「器」ではないでしょうか。






いわば、人間の考え、心、魂というのは、水のようなもので、器によって、水そのものの性質は変わらなくとも、外から見える形は変化し続ける。そういうものなのではないでしょうか。





「男女が愛し合う」ことは、普遍です。しかし、時代によって、それが許されず、家と家に引き裂かれたり、LINEですぐ繋がれたりする。






「普遍的なものを、どう見せるか」というところが、創作において必要不可欠なものの一つであることは、確かだと思うのです。







……なので、個人的な話をさせてもらうと。






作家さんが、命を懸けて書こうとしてるのは、実は外側の部分なんじゃないかな?





セリフの端々や、小さな所作、使っているモノ、背景、そういうところにこそ、価値があるのであって…






古典劇についてはわからないので、研究もせずに好きと言うと、同じく脚本を書くものとして作者に失礼だと思うから、私には言えません。






「普遍性があるから良い」という言葉でくくってしまうのは、私は、他の名作と一緒くたにしている気がして、嫌なのです。







以上、私は自分の好きなものについて色々調べるので精一杯なので、古典について深く理解のある周りの演劇好きの方が凄いなあと思いましたというブログでした。






……皮肉っぽい言い方ですが……本気で思っています……。





それに、この意識を変えるべく、また、もやもやに決着をつけるべく。





次回公演は、古典劇を絡めた内容になると思います





それでは、また次回。
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